周辺症状・問題行動への対応と対策

周辺症状の原因や程度は人によってさまざまです。原因を予測し、可能性のある全てと根気強く向き合って対処していくことで、症状が和らいだり未然に防げる場合もあります。

主な行動の原因と対策

徘徊

理由
  • 自分の置かれている状況や場所が認識できないこと(見当識障害)によって、自宅にいる場合でも、家に帰ろうとしたりする
  • 「人と会う約束をした」「会社に行く」などの妄想や過去の記憶から、出かけようとする
  • 不安や焦り
  • 行きたい場所が分からず道に迷う
対応例
  • 「家に帰る」「仕事に行く」などと言い出したら、「気をつけて帰ってね」と見送った後で危険のないよう後ろをついて歩く
  • 「先にご飯を食べましょう」などと言って他のことに興味を引く

「あなたの家はここでしょう?」といった否定的な言葉や、行動を直接妨げるような説得は逆効果です。「どこにいくの?」と頭ごなしに叱りつける対応もしないことが大切です。

対策
  • 道案内をしたり、道しるべになる張り紙をする
  • 興味をひくことや仕事を与える
  • 見慣れた写真やカレンダーを置いて安心できる部屋作りをする
  • 外の空気や日光に触れる
  • 折々の季節や、懐かしい思い出を語りながら一緒に散歩する

暴言・暴力

暴言や暴力にも原因があります。若年性認知症の人は体力もあるため、暴力への対応は高齢者以上に危険が伴う場合もあります。問題行動が起きてから慌てて対策を練るのではなく、問題行動が起きないように穏やかに安心して暮らすことのできる生活環境を整えていく必要があるでしょう。

主な原因
  • 身体や精神の不調、生活環境への不満・欲求などを伝える能力が低下するため、そういった意思表示が暴力となって現れる場合がある
  • 自分の置かれた状況に苦しみながらも感情を上手くコントロールできないために、不安や焦りが暴力となって現れる場合がある
  • 何かに驚いたり興奮したときに、感情を上手くコントロールできないために暴れる場合がある
対応

暴言・暴力となる原因は認知症の人によってさまざまであるため、その原因を探りながら対処していく他ありません。

例えば...

もっと人と接して賑やかに暮らしたい、騒がしい環境が不快、大好きだった趣味や料理を家族にとられたと思っている、もっと人として認めてほしいと思っている、手を貸しすぎてプライドが傷ついている、頭痛や腹痛を訴えている、外に出て散歩したいと思っている、など

問題行動が起きたら、まずは介護者自身が落ち着いて行動することが大切です。慌てて大声を出したり押さえ込もうとすれば、さらに否定されたと思わせてエスカレートする可能性も考えられます。

まずは本人を認めて誠意を持って接し、専門医とも相談しながらひとつひとつ原因を探って対処していきましょう。

睡眠障害

主な原因
  • 1日の生活リズムを忘れてしまい、睡眠覚醒のリズムが乱れる
  • 夜を夜と認識できない
  • 日中の活動量が少ない
対策例
  • 朝の明るい光を浴びる
  • 医師と相談しながら光療法を取り入れる
  • 人と接する時間を多くする
  • 食生活を見直し、日中の活動量を増やす
  • 朝起きたら布団をたたみ、起床後は必ず着替える