若年性認知症に対する介護・福祉サービスが十分に確立されていない現代、多くの家族が在宅介護を余儀なくされますが、そこにはさまざまなメリットとデメリットがあります。

在宅介護のメリット

認知症患者は、「愛情」や「安心感」、「人として生きることができる自分の居場所」を求めています。住み慣れた自宅での介護は、精神を安定させ、家族の愛情を受けながら生活できるメリットがあります。

家族にとっても、いつも近くでみることができるため、症状の進行の程度や状態を把握しやすく、施設利用と比較すると金銭的な負担も軽減されます。集団生活におけるさまざまな問題点を考える必要もなくなるでしょう。

在宅介護のデメリット

在宅介護は家族にかかる負担が大きく、先の見えない24時間体制の介護をしていく覚悟が必要になります。

誰かが常に家にいる状態を作るとなると、少子化、核家族化、高齢化が進んだ現代では、ひとりにかかる負担は並大抵のものではありません。施設にかかる金銭的な負担はなくなりますが、働き盛りの若者が認知症になったうえに介護者がフルタイムで働きにくい状況では、生活面、経済面での負担は大きいものです。

また、介護疲れにともなう精神面・体力面の負担も大きく、介護者自身が倒れたり、大きな事件にまで発展してしまうケースもあるほどです。

若年性認知症は、「記憶障害」「見当識障害」「実行機能障害」などの中核症状に加え、中核症状や患者を取り巻く生活環境などの要因に伴って「徘徊」「暴行」「睡眠障害」「せん妄」などの周辺症状が現れる場合があります。

疲れきった介護者や、患者本人が元気な頃によい関係を保てなかった家族が仕方なく介護する場合、心に余裕の持てない介護がこういった症状を悪化させてしまう可能性も考えられます。

その他、介護・医療の専門知識が乏しいため緊急時や突然の暴力に対応しきれない、家族以外の人との関わりが減るため孤立しやすい、息抜きや旅行など自由に動くことができなくなる、などのデメリットがあります。